卒業生の今

このコーナーでは、本校の卒業生たちの現在の様子をお伝えしています。
年間で本校に来てくれた卒業生の数は、約200人。今の状況を報告に来てくれた子、懐かしがって遊びに来てくれた子、近くに来たからと 立ち寄ってくれた子、悩みや迷いを抱えて元の担任の先生に相談に来た子など、来校の理由はさまざまですが、それぞれが母校への温かい思いを持ち続けています。そして少しずつ確実に成長している彼らに会うたびに、懐かしさと、訪ねてきてくれたうれしさを感じるとともに、彼らにとって、これからも変わらない「心の拠りどころ」としての学校でありたいと思いを新たにしています。


「急成長」

久しぶりに来てくれたB君。あれ??と思わず二度見してしまいました。つくばの頃は少しぽっちゃりした印象だった彼ですが、すっきりして表情も明るくなっています。今は浪人中で、受験勉強をがんばっています。志望校をきいてみると、意外な学校名を口にしました。高校時代の彼からはあまり想像できない大学です。
卒業後親戚のいるスペインに行ったことがひとつのきっかけとなり、その後いろいろな大学を実際に見て、受験したいと思う大学を見つけたと話してくれました。
帰り際に会った他の先生方からも「しっかりしてきた」「存在感がある」と言われ、照れ笑いをしていました。
海外にも行き、文字通り外の世界を知ったことが、短期間で彼を成長させ、その内面の変化が外見にも影響しているのでしょう。
心の柔らかい10代。これからもいろいろなことをたくさん見て、聞いて、経験して、スポンジのように吸収し、成長していってほしいと願っています。
がんばれ、B君。


「たくさん悩んで」

Hさん。一般入試を経て第一志望の大学に合格し、充実した毎日を過ごしています。今日は相談があるとのことでしたが、いざ久しぶりに彼女に向き合ってみると、口では「悩んでいる」と言いながら表情も明るく、キラキラした感じにあふれていて大学生活を満喫していることが伝わってきました。まだ1年生なので授業も多く、宿題もたくさん。ボランティア活動にアルバイト。忙しい毎日のことを、くるくると瞳を輝かせながら息もつかずに話します。
今日の悩みは英語のこと。高校時代から将来なりたい職業が明確で、その実現のためには英語力は不可欠ですが、勉強法と留学先のことでいろいろと考えている様子です。
形は「相談」ですが、一生懸命話しているうちに自分で考えが少しまとまったようです。こちらはただにこにこと話を聞かせていただきましたが、その様子がかわいくて、また頼もしくて、本当に楽しいひと時でした。たくさん悩んで、たくさんいろんなことを経験して、ぐんぐん成長していくHさん。
今度はどんな「相談」に来てくれるかな。


「ぐんぐんと」

「こんにちは」笑顔で入ってきたF君。一瞬誰だかわからないほど筋肉がつき、体が大きくなっていてびっくりしました。国立大学を卒業後、航空自衛隊に入り、今は操縦かんを握り、訓練に明け暮れているそうです。
勉強にも追われているようで「毎日覚えることばかりです」と大変そうです。でも、口ではそう言うものの、彼の表情は生き生きとしています。けっして楽ではないと思いますが、自分で志望した進路であり、今の状況を真正面から受け止め、その大変さを楽しんでいる印象を受けました。
これまでも、ふとしたときに連絡をくれ、ひょっこりと顔を出してくれていましたので、私たちもそのたびに彼の成長に目をみはる思いでしたが、今回はまた一段と頼もしくなっていて、うれしい驚きでした。
体に気をつけて、自分の職務にまい進してほしいと願っています。


「さらなる高みへ」

高校卒業後、医科大学へ進学したI君。今日はうれしい報告に来てくれました。大学院へ進学するというのです。
I君は高校在学中から努力家で、こつこつと本当によく勉強していました。疑問をそのままにせず、納得するまで質問をしていた様子を思い出します。一方で、細やかな優しい性格の彼の将来の夢は、研究者になること。きっとこの先もその長所が活きていくことでしょう。
受験前は不安そうで、受付でもよく話をして帰っていましたが、その彼があんなに立派になって、自分の道をまっすぐに進んでいる姿に感動を覚えました。
大学院へ入ると、またさらなる勉強の日々だと思いますが、I君ならきっとがんばってやり通してくれると楽しみにしています。


「目標に向かって」

Uさんは、将来の夢の実現のため農業関係の学校に進学しました。机上の勉強に加え、実地も多く、大変ながらも充実した学校生活のようです。高校時代も遅刻や欠席が少ない生徒でしたが、今も毎日休まずにがんばっているそうです。つくばとは違う雰囲気の中で、新しく人間関係を作っていくのに、少し戸惑いを感じることもあるようですが、目標がはっきりしているので、迷いはないようです。
近々オーストラリアに実習に行くとのこと。海外の農業を目の当たりにし、さらに日本の農業を外から眺めてみることで、いろいろな気づきがあり、視野も広がることでしょう。これから先、Uさんのような若い人が農業の担い手となることは、とても頼もしいことではないでしょうか。
今日は本校のオープンスクールの手伝いに来てくれたUさん。後輩に胸を張って自分の今を話す姿にうれしくなりました。体に気をつけて、2年間を精一杯がんばってほしいと願っています。


「自分のペースで一歩ずつ」

Rさんが、卒業以来初めて顔を見せてくれました。高校1年生で転入し、最初は個別クラスからのスタートでした。その後毎日登校するクラスへとステップアップしましたが、登校が難しかった時期もあり、そのときは親御さんも職員も心配しながら見守っていたことを覚えています。しかし、こつこつと本当によくがんばって、一般入試で第一志望の大学へ合格することができ、みんなで喜び合いました。
そんな彼女も今はもう3年生。飾らない姿は高校の頃と変わらず、はにかんだ笑顔もそのままです。将来のことはまだ思案中。慎重な性格だからじっくりとよく考えて、ゆっくり一歩を踏み出すのではないでしょうか。つらい状況になっても、それをちゃんと受け止めて進んでいける力を持ったRさん。まっすぐな平坦な道ではないかもしれませんが、彼女なら自分の道をしっかりと歩いていくと信じています。


「手探りで探し当てた好きなこと」

Rさん。久しぶりに見る彼女はとてもしっかりして、すっかり大人になっています。
当時から簿記などの検定に取り組むがんばり屋さんでしたが、高校時代はあまり自分からしゃべるタイプではありませんでした。卒業後はアルバイトとしてパン屋さんでしばらく働いた後、思うところあって別の業種へ変わりました。でもどこかなじめず、自分の本当に好きなことをと自問し、やはりパン屋さんに戻ることに決めたそうです。
その後2軒ほどの店で経験を積み、今は地元では人気のかなり大きなパン屋さんで働いています。これまでの経験があったためか、ほんの数ヶ月で正社員になれたそうです。忙しくて大変だけれど、好きなことだからがんばれると、笑顔を見せてくれました。充実した毎日を送っていることが、その表情からもうかがえ、私たちもうれしくなりました。
いつかそのパン屋さんに行き、彼女の働く姿を見てみたいと思いながら、見送りました。


「ぼちぼちと」

Sさんは、社会人1年生です。すっかり大人っぽくなった彼女が久しぶりに顔を出してくれました。近況を聞いてみると、人手が足りず、仕事量も多くて大変そうです。職場の雰囲気のことやなかなか休めないことなど、話しているうちに少しだけ愚痴も。以前から自分より周りのことを慮る性格なので、大変だとこぼしつつも、自分の周りの方の心配をしていました。
Sさんはつくばを卒業後、4年制大学へ進みましたが、高校卒業後すぐに社会人になった同級生にもたまに話を聞いてもらい、社会人先輩としてのアドバイスをもらったりと、つくば時代の友達と会っておしゃべりをするのも大事な息抜きになっているようです。
また、勤務中の話もしてくれました。デイケアのおばあちゃんから手招きされ、怒られるのかな?と思って近づくと「おいしかったよ、ありがとう」と言われ、とても嬉しかったそうです。個人的なことでしたが、祖父が入院していた時にお食事を楽しみにしている方がいらっしゃった話を思い出し、「たくさんの笑顔を運ぶ仕事しているね。」と彼女に伝えました。
Sさんが大学受験の時見せてくれた努力と粘り強さはすばらしく、「今でもあなたの受験体験談は後輩に時々話すのよ。後輩には希望の星だから」と言うと、照れていました。1時間半ほどおしゃべりし、最後は「ぼちぼちですよね~」と笑顔を見せてくれたので、「またおいでね」と言って帰しました。
誰しもいい時もあれば、そうでない時もあります。でもそんな時こそ、ここに来てくれたのがしみじみ嬉しく感じました。


「迷った時は」

Nさんは、今大学2年生。ちょっと恥ずかしそうな笑顔は当時のままです。今日は大学のゼミのことで相談に来ました。つくばへは新入生として入学し、3年間ほとんど遅刻や欠席をせずがんばり、希望する大学へ進学した彼女。寡黙だけれど、自分でよく考え、しっかりと目標を立てた後、こつこつと努力を重ねて手にした大学生活はとても充実しているようです。
ゼミをどうするか思案しているとのことでしたが、高校の頃も頼りにしていた美術の先生とじっくり話をし、笑顔で帰っていきました。真剣に学んでいるからこそ、悩みや迷いが生じているのでしょう。何も考えず、日々を漫然と送っていたら、悩むこともないのですから。
頼りにしてもらえた先生の表情もうれしそうでした。こうして母校を思い出して来てくれるのが、私たちは何よりうれしい。いつでも待っていますよ、Nさん。


「がんばりました」

いつもにぎやかなSさん。26年度につくばを卒業し、今は四年制大学で英語を専攻しています。今度とある高校へ行き英語の授業をすることになったそうで、今日はその相談に来ました。自分にできるかなと困った様子です。具体的に話を聞き、英語の先生からアドバイスをもらって帰っていきました。
後日彼女から連絡があり、「どうだった?」と尋ねると、うまくいったようです。「緊張したけど、がんばりました!」とうれしい報告でした。電話口ではじける彼女の声に、あの笑顔が浮かぶようでした。
大学の勉強は簡単ではないでしょう。でも自分の目指すところで思い切り勉強できる今は、本当に貴重なもの。何にでもチャレンジして、楽しいことも苦しいこともたくさん経験してほしいと思います。


「サクラサク」

I君。今日は大学合格の報告に来てくれました。職員みんなで彼の合格を喜び合いましたが、卒業後も時々やりとりをし、ずっと応援してきた担任の先生の喜びはひとしおでした。
高校2年生の終わりから転入してきたI君は、十分な実力を持っていたものの、もうひとつ及ばず、昨年は涙をのみました。寡黙ながらも内に秘めた強い意志を感じさせるI君は、苦しみながら自分との戦いに勝ち、ついに志望校への合格を手にしました。その陰には、ずっと見守ってこられたご両親の温かいサポートもありました。みんなの思いに見事に応えてくれたことはもちろんですが、何よりも彼の晴れ晴れとした表情を見たときに、本当によかったと心からうれしく思いました。
春からの大学生活ではまたいろいろなことがあるでしょう。でも、I君なら持ち前の粘り強さできっと乗り越えて行けるはず。そう信じて見送りました。


「卒業します」

Iさんが、3年ぶりに来てくれました。
新入生としてつくばに入学し、国立大学へ進学した彼女。4年の大学生活を経て明日は卒業式を迎える節目に報告に来てくれました。大学では、「ドローン整備制御」を研究し、1年生より所属したカメラ部では部長を務めるなど、研究以外の充実していたようです。
22歳になった今思うことは?と尋ねると、「昔はとがっていたな」と言う彼女。はにかんだ表情も柔らかくなったような気がします。もともと別の学部を志望していたこともあり、これでよかったのかと後悔の気持ちがあったこと。最初は「通信制の高校出身」とは言えなかったこと。大学に入学したての頃の、そんな思いを振り返って話してくれました。でも、大学のみんなもお互いの出身校を気にしていない雰囲気もあり、いろんな経験をする中で「そんなことを気にしなくいいのだ、つくばに行ってよかった」と、今は素直に思えますと笑顔を見せてくれました。
なかなか母校へ足が向かなかったのは、「推薦入試での合格は、先生のおかげであり、自分の力でない」という引け目があったから。だからこそ大学に入ってからさらに勉強を頑張り、「今は、本当にこの大学に進学できてよかったと心から思う。先生方には本当に感謝しています」と言ってくれました。
受験の時も、大学へ入学してからも人一倍努力してきた彼女。その胸の内にいろいろな思いを抱えながら、それでも一歩ずつがんばって進み続けるうちに、彼女はこんなに大きく成長したのだと実感しました。
春からは、彼女は大学院へ進学します。毎日の遠距離通学をものともせず、自分で切り開き選んだ道をしっかりと歩んでいる彼女の姿は本当に頼もしく、職員みんなで心からエールを送りました。